般若心経は、苦を抜き楽を与える。
般若心経は、六百巻の大般若経のエッセンスをたった266字の珠玉の文字に抽出した大変密度の濃い功徳のあるお経です。
仏教の精要、密蔵の肝心なり。
このゆえに、誦持講供(じゅじこうぐ)すれば、
苦を抜き楽を与え、
修習思唯(しゅうじゅうしゆい)すれば、
道を得通を起こす。
まことにこれ、世間の闇を照らす明燈にし、
生死の海を渡す船筏(いかだ)なり。
般若心経の一説に
「度一切苦厄(どいっさいくやく)」と言う文があります。
苦も厄も、苦しみ。度はこえること。苦難や災厄にあった時、その原因を外に求め、
他人を責めたり環境の責任にするのが迷える人間の常です。
しかし、事実は一つ。
仏教では、苦の原因(因果の道理)を深く諦観し「惑業苦の三道」と教えています。
すなわち苦が生じる原因は、自分がなした業にある、さらにその根底には「我あり」という
根底的無知(惑)がある、と。あらゆる苦厄からの解脱は、五蘊皆空(ごうんかいくう)、
すなわち「我なし」と照見する時にこそ実現し得るのです。
般若心経一万唱の修行
唱えるたびに、口から般若心経の漢字が空を舞うようでした。