「般若心経」は、仏教聖典の中でも、おそらく多くの書物が著されているのではないかと思います。
般若心経は「智慧の感性の精髄を説いた経典」です。
その一節に、「度一切苦厄(どいっさいくやく)」と言う節があります。
「苦」も「厄」も、苦しみ。「度」は、こえること。
苦難や災難にあった時、その原因を外に求め、
他人を責めたり環境の責任にするのが人間の常です。
しかし、事実は一つ。
仏教では、苦の原因(因果の道理)を深く諦観し
「惑業苦の三道(わくごうくのさんどう)」と教えています。
すなわち、苦が生じる原因は、自分がなした業(ごう)にある、さらにその根底には
「我あり」という根本的無知がある、と。
あらゆる苦厄からの解脱は、
すなわち「我なし」と照見する時にこそ実現し得るのでする。
(般若心経手帳 中村元訳より)
誰にでも、生きていく限り「苦」や「厄」の苦しみはあります。
その時に、他人や外的のせいにしないで
自分自身を見つめ、原因をしっかりと見つめることが
「苦」や「厄」を乗り越える秘訣です。
人生という旅のともに「般若心経」は、「心の道しるべ」になるでしょう。
*照見・・・・物事の本質・実相を明らかに見きわめること。
人生という旅のともに「般若心経」は、「心の道しるべ」になるでしょう。
*照見・・・・物事の本質・実相を明らかに見きわめること。